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通信の多重化によりネットワーク機能を強化した強震計測装置 「SM-31」 を発売

2025年04月02日

リオンは、震度情報ネットワークへの対応や、最近特に求められている情報伝達手段の多重化に対応するためにEthernetを2ポート実装した強震計測装置 「SM-31」 を4月3日に発売いたします。本製品は、2つの感震器が接続可能な地震計として、ダムの地震観測や工場防災に最適であるとともに、ネットワークを通じて設定変更やファームウェアのバージョンアップを遠隔で操作できるため、現場作業の負担を軽減します。


強震計測装置「SM-31」

強震計測装置 「SM-31」(右)とデジタル出力感震器 「PV-24」(左)


強震計測装置は、地震動の加速度を高精度に記録し、地震の揺れの強さや特性を詳細に把握するための装置です。地上設置型やボーリング孔埋設型の感震器を使用し、耐震設計や防災対策に不可欠なデータを提供します。当社は、公共の大型施設(ダムや防潮水門などの河川構造物)や交通インフラ、電力関連施設など、数多くの重要な構造物に設置しております。過去に発生した大地震においても確実に作動し、その機能性と安定性の高さが実証されています。

主な特長

  • 気象庁が発表する緊急地震速報で使用される震度情報ネットワークの仕様に対応しています。
  • 国土交通省の強震計測装置仕様に準拠しています。
  • 最大加速度±4000Galまで測定できるため、地震や振動の詳細な解析が可能です。
  • 震度情報ネットワークや、近年ご要望の多い通信の多重化に対応するために、1ポートにつき3方路まで出力できるEthernetを2ポート実装し、最大6方路への出力を可能にしました。
  • Ethernetの他に、RS-232Cでの入出力や起動接点出力等による出力によって、柔軟なシステム構築が可能となります。
  • 地震波形はWIN32フォーマット※1で記録されます。
  • GPS、JJY(電波時計)、NTP※2による時刻校正機能を搭載し、より高精度な時刻校正が可能です。
  • ネットワークを通じた遠隔操作によって、設定変更やファームウェアのバージョンアップが可能です。

※1 地震計で記録された地震波形データを保存するためのデータ形式の一つです。このフォーマットは、東京大学地震研究所が策定したWINフォーマットを基に、防災科学技術研究所(NIED)が拡張して定めたものです。

※2 NTP(Network Time Protocol)とは、ネットワーク上のコンピュータや機器が正確な時刻を同期するための通信プロトコルです。

主な使用用途

  • ダム、鉄道、高速道路などの地震観測
  • 工場製造ライン、発電所、石油・ガス備蓄施設、データセンターなどの工場防災、生産ラインの振動監視システムの構築
  • 病院、学校、イベントホールなど公共施設の避難誘導
  • 浄水場施設や水門等の緊急遮断弁の制御
  • 免震建屋、高層建屋、橋梁など構造物の地震動の監視

地震観測システム概念図

地震観測システム概念図

活用事例

1.工場などの避難誘導・制御など

非常放送設備との連動により退避誘導に加え、工場ラインの制御、設備の保護、同時に火災などを誘発する装置を制御します。

※接点出力ユニットSZ-31Pにより、接点出力を最大6段階まで増設可能です。

※イントラネットにより、支社・工場・営業所を含む防災ネットワーク構築にも活用できます。


工場などの避難誘導


2.ライフラインの確保

配水池では、緊急遮断弁との連動により、送水の遮断、薬剤の流入を防止し、災害時のライフラインを確保します。


工場などの避難誘導


3.構造物の安全管理

ダムの基礎部と天端で観測したデータは堤体の点検、管理に活用できます。また、地震動の解析データは、設計に反映できます。

※本機2台以上による連動動作で、より多くの観測点にも対応可能です。

※携帯電話へのメール送信システムとの連動により、地震の把握、その後の対応判断に有効です。


工場などの避難誘導

■地震計に関する情報はこちらをご参照ください。

https://svmeas.rion.co.jp/lp/rion_seismometer_site.html

お問い合わせ先

リオン株式会社 環境機器事業部 営業部
電  話:042-359-7887