2020年度経済産業省産業技術環境局長表彰 計量制度運営等貢献者表彰大屋 正晴表彰されました!2020年度経済産業省産業技術環境局長表彰 産業標準化貢献者表彰水上 敬 環境機器事業部 事業企画部の大屋正晴(おおやまさはる)が、令和2年度の産業技術環境局長表彰(計量制度運営等貢献者)を受賞した。当表彰は多年に渡り計量制度の運営等に関して特に貢献したと認められ、その功績が顕著な人物に対して経済産業省がその功績を称えて行うもの。計量制度運営等貢献者としての受賞はリオン初となる。 大屋は、計量器の計量法関連政省令の改正に関わり、また、関連する日本産業規格(JIS)の策定及びグローバル化に尽力した。日本における計量制度の維持、発展に貢献したことが高く評価された。受賞のコメントQ.1受賞の感想リオンは、先輩方の時代から長きにわたり計量制度の運営を行っている計量行政に対して、協力貢献をしてきました。今回の受賞は、リオンの継続的な活動が評価されたものであり、とても喜ばしく思います。Q.2JISの策定に取り組むなかで、どのような貢献をしてきたか2015年に、計量法と特定計量器検定検査規則(検則)の騒音計と振動レベル計に関する改正があり、仕様を国際規格であるIECやJISに整合させるなど、騒音計と振動レベル計が特定計量器として指定されて以来の大改正でした。検則改正の議論は過去にも起こっていましたが、当時は様々な事情から改正に至らなかった経緯もあり、今回は計量行政にとっても悲願であったようです。また、さらに2020年にはJISの改正を行い、計量法の運用をより弾力的に行うための整備をしています。この一連の規格の制定、改正にあたって、私はJIS原案作成委員会の委員や分科会の主査を務めるなど実務的な作業のとりまとめや業界団体として行政に対する意見陳述を行ってきました。活動を通じて感じたことは、それぞれの立場の人が、自分自身の役割をきちんとこなせば、成し遂げられないことはないということです。経済産業省計量行政室、産業技術総合研究所とも議論を重ね、法律上の齟齬がないか、他に影響する法規はないか、使用者に対して不利益が生じないか、その対応はどうするか、など様々な検討を行いましたが、すべての関係者がすべきことを行い、一つのチームとして活動できたことが印象的でした。Q.3今後の活動に向けた思い環境機器事業部が主力とする騒音計、振動レベル計は計量行政と共に成長してきました。法律は国が決めて我々がそれに従うものだと思いがちですが、計量器と計量器管理のあるべき姿、使用者の状況を一番理解しているのは私たちリオンです。今回はリオンとしてすべきことができたと思っていますし、これからも継続していきたいと思います。リオンは国際規格の委員も輩出しており、私はその一員として、計量行政における貢献を日本にとどめるだけではなく、世界に対しても行っていきたいと思います。 技術開発センター要素技術開発室微粒子センサ開発グループの水上敬(みなかみたかし)が、令和2年度の産業技術環境局長表彰を受賞した。当表彰は、国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)における国際標準策定や、国内規格(JIS)策定といった標準化活動に優れた功績を有する個人、組織に対して経済産業省がその功績を称えて行うもの。水上は、2011 年来、約 9年間 ISO※1/TC24(粒子特性評価及びふるい)/SC4(粒子特性評価)委員会のメンバー、特に WG9(光相互作用による単一粒子測定法)のシャドウコンビーナ※2、プロジェクトリーダーおよび国内対策委員長として、粒子特性評価法に関する国際規格及び国内規格の制定、とりわけ微粒子計測器関連の規格開発・メンテナンスに主導的な役割を果たした。これらの活動を通し、微粒子計測器の性能について国際的な統一化や、試験する粒径域の幅を広げることによる精度の高い検査方法を確立し、様々な環境における清浄度管理レベルの向上に貢献した。 ※1 様々な世界標準(ISO 規格)を定める団体であり、 世界 162ヶ国が加盟。(2018 年 12 月末時点) ※2 WG(ワーキンググループ)の副議長。 受賞のコメントQ.1約9年間にわたり国際規格の開発に携わり続け、最も記憶に残っているエピソードとはISOの国際会議に委員として初めて参加してから次の会議までが非常に大変だったのを覚えています。前任の一条和夫さんがお亡くなりになられたのが2011年7月で、来たるISO国際会議(スコットランド・エディンバラ)が1か月半後の9月上旬。急遽後任として参加することになったのですが、その会議の席上で、それまで議長だった一条さんの後任を決めることになりました。副議長であった英国人が議長に昇格したのですが、新たな副議長として、一条さんの後任である私が務めることになりました。当時、2007年に制定された微粒子計測器のISO規格の見直し投票の直後で、一条さんがご存命の時に改正作業を行うと決定されたばかりでした。帰国後から半年後の国際会議に向けて、改正用の規格案を私が作成することになったのですが、そのような作業は当然初めてで思うように進まず、さらに既存業務である新製品開発も並行していたため、毎朝早くに会社に来て規格案の作成作業を行い、日中は新製品開発業務を行う、という日々が続きました。Q.2今後の活動に向けた思い私が受賞した「産業技術環境局長表彰」の説明文には「標準の策定や適合性評価活動に貢献し、今後とも継続的な活動が期待できる方に対する表彰」と記載されています。その期待を裏切らぬように活動していく所存です。また重要なことは、この活動を社内に還元することと後継者を育てることです。19
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