白石二つぎひと人は、もう15年ほど、国分寺の子どもたちにバレーボールを教えている。地元の「国分寺十小リトルファイターズ」で監督を務めているのだ。「以前は私の娘がこの民間クラブで習っていたこともあり、私も応援ということでチームの手伝いとして参加するようになりました。ところが監督が急にいなくなってしまったり、子どもたちの数が減ったりして、クラブの存続自体が危ぶまれる状況になってしまった。そんなとき監督をやらないかとお誘いをいただいて。リトルファイターズは歴史が長く、伝統のあるクラブです。これを絶やしてはいけないという思いで引き受けました。報酬云々の話も出ましたが、「受け取れません」と固辞しました。クラブからお金をもらうと、関係がおかしくなってしまう。まっとうに子どもたちと向き合うため、そこは譲れませんでした。おかげで変なしがらみもありませんし、楽しく全力投球できています」そんな経緯で、自分の子どもがクラブを卒業した後も監督を続けることに。現在は週二回の練習のうち、土曜日の練習に指導者として駆けつけている。 リオンが本社を置く国分寺近辺は、実は知られざるバレーボール王国でもある。かつては日本有数のクラブである「日立製作所武蔵工場バレーボールチーム」が小平市で活動を続けていたこと等もあり、子どもたちからの高い人気は今でも健在だ。だが、定期的に活動できるクラブはそう多くない。白石は、バレーボールの監督という形で少しでも地域に貢献できればとにこやかに話す。「リオンでは地域に貢献する取り組みとして、秋には落ち葉の清掃、冬には雪かきなどを社員で行っています。いつもお世話になっている町ですからね。色々な経緯があって監督を始めましたが、結果としてバレーボールをプレーしたい子どもたちの笑顔につながっているなら、私もうれしいですよね」 リオン入社後すぐに大阪で勤務した後、国分寺本社へ配属となった白石。国分寺の魅力をこう話す。「大阪ではとても賑やかな町に住んでいました。国分寺に住むようになって、緑も多く、畑や寺社などもあってとてものんびりとしている雰囲気が気に入っています。そのような環境で育つ子どもたちはやっぱり伸び伸びと健康的ですし、国分寺で暮らすリオンの社員もせかせかしていないというか、地に足が着いているというか、落ち着いた性格の人が多いですよね。国分寺という町だからこそ、研究や開発にじっくりと打ち込めるのだと思います」 そんな国分寺の町で毎週のように小学生たちを指導する白石。これからもまだまだ監督として子どもたちと一緒に汗を流したいと笑う。「子どもたちの成長って本当に人それぞれ。遅い子もいれば早い子もいる。でも、成長が遅いからといって上手くならないわけでは決してない。最初は上手くできなくても、きちんと練習を続けてびっくりするくらい上達する子だっているんですよ。そのような子どもたちの頑張りを見て、私も元気をもらっています」伝統あるバレーボールクラブの存続に一役買いたい17ホームタウン! 今回のテーマ[バレーボールを通じて地域貢献!]OUR FAVORITE TOWN KOKUBUNJI リオンのスタッフがナビゲート ブラリ、国分寺巡りリオンのホームタウン・国分寺を個性豊かなスタッフがリレー形式で紹介する連載企画。第四回は 、この町で長年、子どもたちのバレーボールチーム監督を務めているスタッフを直撃。スポーツを通じて、地域を元気にする取り組みにフォーカス!国分寺市立第十小学校リトルファイターズの主な練習場。チームはこの小学校に限らず他校からの入部も受け入れている。国分寺のほぼ中央に位置し、閑静な住宅街と農道に囲まれたのどかなロケーションが印象的。My Favorite白石 二人経営企画本部 資材部 購買課。各セクションと連携を取りながら必要物資などを調達する仕事に従事。リオンの中枢で機器製造を支えるエキスパートだ。❶❷❶毎週土曜日はチームの指導。もともとはサッカーのプレイヤーだったが、いつの間にかバレーボールの指導者になってしまったと笑う白石。❷白石が監督を務める国分寺十小リトルファイターズは歴史あるクラブ。一時は部員の減少で存続が危ぶまれたが、白石たちが中心となり立て直した。現在チームは16人で元気に活動中。
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