RION Techinical Journal Vol.4
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補聴器ユーザー向けサイト「マイ リオネット」補聴器利用者や聞こえに関心を持つ多くの方とのつながりをより一層強化する会員制サイトおよびiOS・Android向けアプリを公開。補聴器を使いこなすための情報や音や聞こえに関する幅広い情報・動画を提供し、ユーザーのニーズに応えます。医療従事者向けサイト 「リオネット メドポート」医療従事者向けの会員制サイトとして公開。耳科・聴覚・補聴器の診療に欠かせない専門的な情報を集約しており、必要な情報へすぐにアクセスすることができます。動画コンテンツも豊富にそろえた、時代に沿うウェブサイトです。IEC1906賞 受賞「音響機器の国際規格に力を注いで」舘野 誠 技術開発センター 副センター長 2021年秋、技術開発センター副センター長の舘野誠が、IEC1906賞を受賞した(IEC/国際電気標準会議)。この賞は電気・電子技術の標準化およびその関連活動へ大きく貢献した専門家へ授与されるもの。IEC創立100周年を記念し、2004年に設立された賞である。「私は30年ほどIECの会議に参加していますが、まさか自分が受賞できるとは考えていませんでした。ですから名誉ある賞を受賞でき、大変、光栄に感じています。IECには100以上の専門委員会があり、私が属するのは電気音響に関するTC29です。この委員会は音の計測をベースに、騒音計、補聴器、聴覚検査を行うオージオメータ、音響機器の校正に使用する標準マイクロホンに関わる国際規格を制定していくという役割を担っています。具体的には委員会で国際規格の原案を作り、世界各国の関係者とすり合わせながら世界中で利用される規格へと詰めていく活動となります。TC29には私を含め、約20カ国から委員が参加しており、皆で問題を解決、調整しながら審議を進めていきます。異なる背景を持つ技術者や研究者たちと議論、調整をしていくのは難しいことではありますが、国際的な規格を作っていく一助となる活動にはやりがいを感じています。仕事を進めながら、各国の文化や思想に触れることも私にとっては大きな刺激となっています。委員会のメンバーとのパーティなどもあり、良好な関係を築けていますが、人間関係だけで仕事を進めることはできません。国によって規格を取り巻く事情は異なり、規格を大きく変えてしまうと世界中で混乱が起きてしまう。そのため、社会の実情に合わせて細かく改正しなければならず、慎重に議論や調整を重ねていく必要があるわけです。 海外の専門家たちと接していると、リオンの価値というものも実感できるようになります。人の聴覚にはどのような性質があるとか、難聴になると何がどう変わってしまうかといったことを、リオンのスタッフはよく学んでいますし、世界的にみてもリオンほど聴覚に関するエキスパートが多く集まっている企業はなかなかありません。ですからリオンの若い技術者、営業の方は自信を持っていただきたいですし、どんどん外の世界に出て様々な人と交わりながらさらに成長していってほしいと感じています。努力がきっとよりよい社会の構築に結びついていくと信じて、私自身もさらなる技術、知識の習得に励んでいきたいと思います」IEC1906賞 受賞「音響機器の国際規格に力を19IEC/TC 29の補聴器のワーキンググループ(Pretoria/South Africa)

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