RTJ_vol9
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10従来品とは一線を画す、超薄型センサの登場IN THE BACKYARDシート状圧電センサ小さく、薄く、屈曲性にも優れていることから、配管やエンジン、機械曲面の振動測定においてその利用が期待される。また、車の風切り音測定のような低周波音、高音圧環境下での利用に関しても研究が進められている。大久保 則男技術開発センター R&D室 音響振動センサ開発グループ。2012年入社。補聴器用マイクロホンの部品であるエレクトレットやインピーダンス変換器の研究開発から始まり、当グループで扱うトランスデューサ全般における評価を担当。近年は新規性のある有機圧電材料を利用したセンサの応用化検討などにも従事。 リオンと小林理学研究所の共同研究によって生まれた「多孔性圧電シート」は、低周波から高周波の振動を電気信号に変換可能な圧電素子だ。センサに用いることで、音圧や振動の測定ができることに加え、紙のように薄く、しかも軽量であるため、測定対象物への影響が少なく、狭い場所に設置して測定することも可能となっている。 この多孔性圧電シートを用いた画期的なセンサの開発に尽力した音響振動センサ開発グループの大久保はこう話す。知られざる、「シート状圧電センサ」研究開発の舞台裏知られざる、「シート状圧電センサ」研究開発の舞台裏音圧や振動の変化を感知し、電荷を発生させる「多孔性圧電シート」は、従来の圧電素子にはない薄さ、軽さ、屈曲性を備え、多様な用途が期待されている。この部材を用いたセンサ開発において中心的役割を果たしたエンジニアに、「シート状圧電センサ」の有する可能性、開発背景などについて聞いた。技術開発、最前線!用途は無限大。多孔性圧電シートを利用したシート状圧電センサの可能性とは

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