RION-JPN-vol10
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18技術継承を促すことが目的でした。でも、「機械状態監視診断技術者(振動)」という肩書きがついたことで対外的にも信頼性の向上に役立っていると感じます。私は業務でお客様向けにセミナーも行うのですが、以前、インドネシアの大学でセミナーを行った際に「カテゴリⅢの講師が来る」と話題になったそうで、受講証明書へのサインや写真撮影を求められてドギマギしてしまったことがありましたね。 仕事をしながら勉強時間を捻出するのは大変でしたが、学んだことでお客様に寄り添った対応、新たな活動の場面を得ることができ、資格取得に費やした時間はとても有意義だったとあらためて感じています。馬屋原 博光環境機器事業部 国内営業部 営業技術課。2001年入社。入社後は騒音計・振動計の生産技術部に所属し、開発や設計に関する支援を経験。その後5年間、開発を担当し現在の営業部 営業技術課へ異動。営業スタッフを技術的に支援する業務に携わっている。【機械状態監視診断技術者(振動)とは】一般社団法人 日本機械学会が認証する、振動診断業務において品質を保証するための実務的な資格。ISO 18436-2に基づいて、携帯・常設センサおよび機器を用いた機械振動の測定・解析を行う技術者の資格と能力を認証することを目的としている。カテゴリⅠからカテゴリⅣまで幅広い技術レベルに対応しており、ISOの国際基準に基づいた資格であることから海外での事業展開においても有効な資格である。ないことも多く、学んだ内容を消化するため、講義後は先生に質問しに行ったり、帰宅後は復習するなどして、なんとかついていくことができました。大学受験以来、久しぶりにしっかりと勉強した感覚です。 頑張って勉強した甲斐あって、学んだことは業務に活きています。私の業務は、営業スタッフに同行して、お客様へ製品をご紹介する際の技術サポートや技術相談を受けることですが、故障が起きる原因やその背景を理論的に理解できたことで、お客様の課題や疑問を伺い、設備保全の効果、測定方法、関連製品の提案と体系的に説明できるようになりました。 また、機械設備の基本構造やそこに使われている部品の知識を得たことで、お客様がお持ちの様々な機械に対しても測定場所の提案や振動の測定結果から故障原因のアタリもつけられるようになりました。お客様のご要望を伺い、設備保全に一歩踏み込んだ製品サポートができるのは強みだと思います。 この資格を持っている人は、事業部に6名います。もともとリオンがこの資格取得を推進するようになったのは、社内の取材・文/高橋 美由紀第三回: 近年、工場では機械が壊れてから直すのではなく、適切なメンテナンスを行うことで機械のトラブルを未然に防ぎ、計画的に生産することが求められるようになりました。それと同時に注目されるようになってきたのが、「機械状態監視診断技術者(振動)」という資格です。機械が問題なく稼働しているかどうかを診断できる資格で、資格取得には年2回行われる本試験に合格する必要がありますが、その前に指定された企業に出向き、1週間の訓練を受けることが義務付けられています。私は2007年に一般技術者レベルのカテゴリⅡを、2008年にマネジメントまで学ぶ管理者レベルのカテゴリⅢを取得しました。カテゴリⅣは、最新の研究要素を含んだ大学教授レベルですので、多くの方はⅡとⅢの取得を目指していると思われます。 本試験前の訓練では、設備保全のための診断チャートや保全・機械・測定・評価と多岐にわたる分野の知識を朝から晩までみっちり学ぶのですが、これがなかなか苦労します。私は仕事がら、振動計測の分野に関してはアドバンテージがありましたが、現場の機械のことは知らリオンの社員が有する多様な資格を紹介していく連載 企画の三回目は、機械状態監視診断技術者という資格について。これは、一体どのような性質の資格なのか、資格取得を果たした社員が解説していきます。機械の声を聞き、理解することができる翻訳家のような資格With The License Of…機械状態監視診断技術者資格と仕事

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