基準槽と測定槽の2層構造となっており、基準槽にはマイクロホン2つとスピーカを装備する。各マイクロホンは基準槽と測定槽の音圧を検出する。
スピーカが基準槽と測定槽の境にあり、音(正弦波)を出すと、両方の槽の空気を振動させる。このとき、基準槽と測定槽の微小な音の振幅は、それぞれの容積に反比例する。
この性質を利用して、マイクロホンで検出した基準槽と測定槽の音圧から、対象の測定物の容積・体積を計算することができる。
音響式容積計の断面図
音響式容積計は主に乗用車を製造する企業で使用され、他にもオートバイ、モーターボートなどのエンジン製造にも使用されている。
エンジン燃焼室の容積は、正確に把握することが必須であること、圧縮比などの仕様に大きな影響を与えることから、より厳密な測定が不可欠となる。
また、誰でも一度は小学校の理科の実験において上皿てんびんで重さを測ったことがあるだろう。その時使用した重り(分銅)を校正するための分銅も体積が一定でなければならないことはあまり知られていない。
分銅の体積を測るために産業技術総合研究所の自動音響式体積計にも当社の音響式容積計が使用されている。校正に使用される分銅は、質量はもちろんのこと、分銅の体積に応じた空気の浮力による質量への影響を加える必要があるため、体積の測定も重要である。