マイクロホンの特性を熟知し、温度変化による影響を回避
音響式容積計・体積計は基準槽と測定槽のそれぞれの音圧を測るため、2つのマイクロホンを使用している。ただ、マイクロホンごとに周囲温度の変化に対する感度特性は異なるため、無作為に選定したマイクロホンでは、容積・体積の測定値が周囲の温度変化に伴い変動してしまう課題があった。
そこで、温度に対する感度特性が類似するマイクロホンを選定し、実装することにより、温度変化に対する測定値の変動を最小限に抑えている。当社の長年の技術の蓄積により、マイクロホンの適切な選定を可能としている。また、マイクロホン自体の性能の進化もあり、より精度の高い測定を実現している。
表面積の違いによる誤差を解消
発売当初(1995年頃)は容積の異なる2つの校正用標準容積器を使用して測定していた。
ただ、2つの容積器での校正手法では、容積器と比較して表面積が大きく異なる対象物の測定時に、誤差が生じる課題があったため研究を重ねた。それを解消したのが、容積・体積が異なる2 つとそれらと表面積が大きく異なる1つの合計3つの校正用標準容積器を使用する方法である。これにより、対象物の表面積の影響による測定誤差を低減し、精度が飛躍的に上がった。